harunonichijoの日記

アラサー薬剤師の日常雑記

中小薬局、吸収される

 私は去年の7月に薬局の転職を経験した。
以前から興味があった漢方に携わりたいと思い、漢方を扱える地域密着型の薬局に就職した。しかし、実際に働いてみると調剤業務のみしか出来ず、漢方を扱うことができるのは専門の薬剤師一人のみ。
 仲介業者を通していたので、業者にもその旨を話したが、その話を聞いたであろう薬局の社長はおいおいやっていこうと言うのみ。一応、月に一度の漢方の勉強会があったことと、薬局内の人間関係が良かったのでとりあえず、仕事は続けていたがずっともやもやは残る。
 そして今年の4月末。急に全社員が集められ社長から話があると言われた。みんな不安そうな顔で集まった。なんと5月から会社を大手に売り渡すので、社長と会長はいなくなるとのこと。買収の話は決定するまで社員に話してはいけないと言われていたので今まで言えなかったとのこと。
え?なにそれ
急な話過ぎてみんな混乱していた。もうちょっと早くいえなかったのかとみんな口々に言った。今まで務めていた会社が全く違う会社になる。私はまだ、一年も務めていなかったが、何十年も務めている人はかなりショックだったろう。もしかして、私が転職する前にもう決まってたことなんじゃないかとか考えもしたが、社長も会長も問いただす前にいなくなったので何もわからずじまいだ。
今いる薬局は初代のカリスマ的社長が身一つで作り上げ、漢方をメインとして後に調剤にも手を伸ばした。初代の社長が亡くなってから、コロナ禍相成って、どんどん業績が落ちていったのはみんななんとなく察していた。いつかこんな日が来るのではないかと思ってはいたかもしれない。でもあまりに突然のことで受け入れるのは難しかった。
5月に入り、買収先の企業の説明会が開かれた。大手企業だったこともあり、給料面や待遇面でマイナスとなることはなさそうだった。
どんどん大手企業の新しいやり方や細かいルールを叩き込まれていき、新鮮な刺激もあった。
それでも、やはり前のやり方がいいと言ってやめてしまった人もいる。
中小薬局の不安定さを痛感した一年だった。